意外と多い業界の未払い問題

知り合いが未払いの被害にあったことを明かす藤井。一度トラブルが起こると、親しい関係でも信頼が失われますよね。

マリン:未払いの話、私もすごく衝撃を受けたんですけど…。藤井さん、実際のところ、建設業界での未払いってそんなに多いんですか?

藤井:多いですよ。ほんまに、もう「毎月のように未払いの話を聞く」って感じです。僕も知り合いから未払いの相談を受けることが多いんですけど、「またか…」って思うぐらい日常茶飯事ですね。

マリン:ええ!?そんなに頻繁なんですか?それって業界特有の問題なんですかね?

藤井:業界特有と言えば特有かもしれないですけど、実際にはどこの業界でも起きてると思います。ただ、建設業界は特に多い印象ですね。やっぱり工事ってお金が大きく動くじゃないですか。だからこそ、未払いが発生しやすいんですよね。

マリン:確かに、工事って材料費とか人件費とか、すごくコストがかかりますもんね。そういう大きな額が動くから、支払いが遅れたりするんですか?

藤井:うん、そういう側面もあります。でも、一番の問題は「未払いをする側の意識の低さ」やと思います。言葉を選ばずに言うと、未払いを軽く考えてる人が多い。

マリン:軽く考えてる…?どういうことですか?

藤井:例えば、「ちょっと資金繰りが苦しいけど、まぁ職人さんには後で払えばええやろ」とか、「今すぐ支払わんでも待ってくれるやろ」みたいな感覚ですね。相手のことを考えず、自分たちの都合だけで支払いを先延ばしにしてるんです。

マリン:それはひどい…。でも、そんな状況を受け入れてしまう職人さん側にも何か理由があるんですか?

藤井:それがね、職人さんたちってほんまに優しいんですよ。「相手先との信頼関係があるから待とう」「少し我慢すれば払ってもらえる」って、すごく忍耐強いんです。だけど、その優しさにつけ込まれて、未払いが常態化してしまうことが多いんですよね。

マリン:じゃあ、未払いって結構「慣れ」みたいな部分もあるんですか?

藤井:そうですね。特にこの業界では、「未払いなんてよくある話」みたいな空気が流れてることがある。もちろん全員がそういうわけじゃないけど、一部の業者は「少しくらい支払いが遅れても大丈夫」って考えてるんです。これが本当に問題やと思います。

マリン:未払いが当たり前みたいになっちゃうと、誰も声を上げられなくなりますよね…。

藤井:その通り。誰も声を上げないと、どんどん被害が広がっていくんですよ。そして、未払いをする側も「どうせバレないやろ」とか「文句を言われても待ってくれるやろ」って甘えるんです。こういうのが続くと、もう負の連鎖ですよね。

マリン:いや、もっとしっかり取り締まる仕組みとか、未払いをなくすためのルールを作らないといけないですね…。

藤井:ほんまにそう思います。このままだと、未払いに苦しむ職人さんがどんどん増えてしまうし、業界全体のイメージも悪くなる。僕らの『BLUE BUILD BEYOND』でも、未払いの問題をもっと発信していきたいと思ってます。

マリン:うん、ぜひ発信していきましょう!これを聞いてるリスナーの方にも、未払いの現実をしっかり知ってもらいたいですね。

藤井:そうですね。未払いが「仕方ないもの」って思われないように、一人一人が声を上げていくことが大事やと思います。

未払い問題の広がり

未払いを繰り返す業者の行動に、悩まされる職人は増えています。つい仕事を引き受けてしまい、廃業に追い込まれるケースも。

マリン:未払いの話って、1つの現場だけで終わる問題じゃなくて、どんどん広がっていくイメージがあるんですけど、実際どうなんですか?

藤井:そのイメージ、まさに正解ですね。未払いって1つの現場で終わることはほとんどなくて、次々に波及していくんですよ。

マリン:波及していくっていうのは、どういう状況なんですか?

藤井:例えば、ある現場で未払いが発生した場合、最初に被害を受けるのは職人さんですよね。で、その職人さんが次の現場に行くためには、材料費や人件費を自分で立て替えないといけないんです。未払いがあった状態でも、仕事を続けないと収入が入らないから。

マリン:うわ、それはもう負担が大きすぎますね…。

藤井:そうなんですよ。そして、次の現場でも支払いが滞ったりすると、どんどん自分の負担が膨らんでいく。さらに、その職人さんが別の職人さんや応援を呼んでいた場合、その人たちにも支払いが回らない可能性が出てくるんです。

マリン:ああ、確かに…。一人の職人さんの未払いが、他の人にも広がるってことですよね。

藤井:そうです。しかも、その影響は現場だけじゃなくて、取引先の資材業者さんとか、協力会社にも波及していくんです。「お金が回らないから次の支払いができない」っていう連鎖が生まれて、結果として業界全体に影響が出てしまう。

マリン:その「連鎖」って、本当に怖いですね…。一度起きたら、どんどん広がっていくわけですよね。

藤井:そうなんです。例えば、ある職人さんが未払いの被害を受けて、その人が支払いに苦しむ。さらに、その人が関わった別の現場や会社でも支払いが滞る。その先でもまた同じことが起きて…っていう具合に、どんどん問題が広がるんですよ。

マリン:じゃあ、未払いが1つでも起きると、それを止めるのって相当難しいですよね?

藤井:そうですね。未払いって、早めに手を打たないとどんどん深刻化します。一人の職人さんだけの問題じゃなくなって、業界全体の問題になっちゃうんです。

マリン:それだけ広がると、誰がどこで泣き寝入りしてるのかも分からなくなりますね…。

藤井:そうなんですよ。未払いが続くと、最終的に泣き寝入りする人が出てきます。しかも、泣き寝入りしてる人たちは声を上げないことが多い。声を上げないと、周りの人はその被害に気づかないんですよ。

マリン:それで、未払いをする側がどんどん調子に乗ってしまうんですね…。

藤井:その通り。「声を上げる人が少ないから大丈夫」って考える未払い業者が増えるんです。だからこそ、僕は「未払いは絶対に許さない」っていう風潮を広げたいと思ってます。

マリン:そうですね…。未払いの問題って、被害を受ける人がどんどん増えるだけじゃなくて、業界全体の信用も落としてしまいますよね。

藤井:そうなんですよ。未払いが多い業界って聞くと、「なんか大丈夫かな?」って思われるし、新しくこの業界に入ろうとする若い人たちも躊躇するじゃないですか。それが一番怖いですよね。未払い問題は一人だけの問題じゃない。だからこそ、みんなで声を上げていくことが大事やと思います。

立て替え払いで困窮する職人たち

相手先のために立て替え払いをした結果、困窮する職人たちが多くいます。藤井は、大切な人を守る行動をとってほしいと強く願っています。

マリン:未払いの話を聞くと、やっぱり職人さんたちがすごく苦しい状況に追い込まれてるなって思うんですけど…。特に、立て替え払いっていうのがどれだけ大変か、もう少し詳しく教えてもらえますか?

藤井:そうですね。立て替え払いっていうのは、職人さんが本来もらうべきお金が未払いになってるにも関わらず、自分のポケットから他の人や業者に支払いをしている状況のことです。これ、本当に大変なんですよ。

マリン:それって具体的にはどういう場面で起きるんですか?

藤井:例えば、ある現場で仕事をしました。その時、職人さんは材料費や人件費を払わなきゃいけないわけです。でも、元請けからの支払いが遅れている、または未払いになってる。それでも、職人さんは自分が雇った応援の職人さんや協力業者に対してお金を払わないといけないんですよ。

マリン:え、それって…未払いを受けてるのに、さらに自分でお金を出して払うってことですか?

藤井:そうです。材料費や応援の職人さんへの支払いを自腹で立て替えてる状態ですね。これ、特に小さい規模で仕事してる職人さんには致命的なんですよ。自分が未払いの被害者なのに、結局は自分が赤字をかぶる形になってしまうんです。

マリン:それは、本当にしんどいですね…。それが続くと、生活が成り立たなくなりそう。

藤井:そうなんです。実際に、未払いが原因で廃業に追い込まれた職人さんもいます。材料費とか応援の職人さんへの支払いって、結構な額になるじゃないですか。それを立て替えると、自分の生活費も捻出できなくなるんです。

マリン:そんな状況で仕事を続けてるなんて、職人さんたち、本当に責任感が強いですね…。

藤井:そうなんですよ。職人さんたちは、「応援に来てくれた人にはちゃんと払わなあかん」とか「材料費を払わないと次の現場で信用がなくなる」って考えて、何とか立て替えでしのごうとするんです。でも、それをやってると、どんどん自分が追い詰められてしまう。

マリン:そうですよね…。じゃあ、その未払いを起こした側は、そんな職人さんたちの事情を知ってるんですか?

藤井:知ってる場合もあれば、知らんふりをしてる場合もあります。「待ってくれるやろ」って軽く考えてる人もいるし、「あの人はきっと大丈夫」とか勝手に判断してる人もいます。でも実際には、職人さんたちは家族を養ってたり、自分の会社を守るために必死なんです。

マリン:それを考えると、未払いってただのお金の問題じゃなくて、人生を壊しかねない問題ですね…。

藤井:そ本当にそうです。立て替え払いが続くと、借金をするしかなくなる職人さんもいます。仕事をしてるのに赤字になるなんて、普通に考えたらおかしいじゃないですか。でも、それが現実なんですよ。

マリン:なんとかして、その負担を減らす仕組みが必要ですね…。

藤井:そうですね。僕が思うに、まずは未払いを「許されることじゃない」っていう意識を業界全体で持つことが大事です。そして、未払いが発生したら早めに相談する仕組みや、弁護士を通じて迅速に対処する方法をもっと普及させるべきやと思います。

「未払いはダメ」の風潮を

問題解決のためには、未払いを当たり前のことにしてはいけないと熱く語る藤井。業界全体の意識を変え、声を上げていくことが必要です。

マリン:未払いの話を聞いていると、本当に深刻な問題だなって思うんですけど…やっぱり、まずは「未払いはダメだ」っていう風潮を作ることが大事ですよね?

藤井:そうなんですよ。未払いを当たり前のように許してしまう空気がある限り、この問題は絶対になくならないと思います。だから、まずは「未払いは絶対ダメ!」っていう意識を業界全体で共有することが必要ですね。

マリン:確かに…。でも、どうやったらそういう風潮を作れるんですか?

藤井:やっぱり、声を上げることですよね。未払いを受けた職人さんたちが声を上げて、「これは許されることじゃない」って発信していくことが大事です。ただ、これが難しいんですよ。

マリン:どうしてですか?声を上げるのが怖いんですか?

藤井:そうです。例えば、「声を上げたら相手先との関係が壊れるんじゃないか」とか、「自分が悪者になるんじゃないか」って考える人が多いんです。それに、業界全体の慣習として「未払いは仕方ないもの」みたいな空気があるから、それを変えるのが難しいんですよね。

マリン:うーん…。その「未払いは仕方ない」っていう空気をどうやったら壊せるんでしょうか?

藤井:まずは「未払いは犯罪に近い行為だ」っていう意識を持ってもらう必要があります。だって、仕事を依頼してお金を払わないって、商品を買ってお金を払わないのと同じことじゃないですか。コンビニでそれをやったら万引きですよね?。

マリン:たしかに!仕事をしたのにお金が払われないっていうのは、本当におかしいですよね。でも、実際に声を上げるのって難しいですよね…。例えば、SNSとかで発信するとか?

藤井:そうですね。SNSを使って発信するのも効果的だと思います。僕もX(旧Twitter)で未払い問題について投稿したことがありますけど、やっぱり反響がありました。未払いに苦しんでる職人さんたちからも、「自分も同じ状況です」っていう声が届きましたし。

マリン:SNSを使うと、同じような被害を受けている人たちが繋がることができるんですね。

藤井:そうなんです。でも、それだけじゃなくて、業界全体でルールを作ることも必要です。「未払いが発生したらすぐに対処する仕組み」とか、「未払いをした業者を公表する制度」とか。そういう仕組みがあれば、未払いをする側も軽い気持ちではできなくなると思います。

マリン:なるほど…。でも、未払いを公表するっていうのは結構大きなリスクもありますよね?相手を敵に回してしまうとか…。

藤井:そうなんですよね。それが声を上げられない理由でもあります。でも、未払いが広がると被害を受けるのは職人さんたちだけじゃなくて、業界全体の信用も失われるんです。だから、リスクがあってもやるべきことだと思います。

マリン:うーん…。やっぱり業界全体で動かないと難しい問題ですね…。

藤井:そうですね。個人だけで戦うのは難しいけど、業界全体で「未払いは許さない」っていう風潮を作れば、少しずつ変わると思います。特に若い世代の職人さんたちには、未払いなんてない業界で働いてほしいですから。

マリン:そうですね。この『BLUE BUILD BEYOND』でも、いろんな話題を取り上げて、少しでも業界を良くしていけたらいいですね。

藤井:はい。これからもビヨンドな話題をどんどん発信していきます!では、また次回お会いしましょう。Bye Bye!

マリン:Bye Bye!