建設業界の課題と引き抜き問題

藤井:じゃあ後半戦、まず何を聞いていこうかな……。ちょっといきなりの話題でこれいいんかな……まあ、一応台本があるんでちょっと聞いていこうかな。今の業界、まあ塗装でもいいんですけど、この建設業界全体でもいいんですけど、何か変えていきたいこととか、自分の周りでもいいんですけど、何か思ってたりしますか?

黒子:うーんと、さっき藤井さんが言ってた通り、”当たり前のことを当たり前にできない”っていうのが、ちょっと最近目立つなと思ってて。僕の周りでもやっぱり、他の会社さんから引き抜きとかって、もう業界でよくある話じゃないですか?

藤井:そうですねぇ、はい。

黒子:で、その中で、やっぱうちの従業員を引き抜こうとしてる方たちもいたり……。

藤井:ああ、いるんですね、やっぱり。

黒子:そうなんです。それがしかも、自分の友人で……大親友っていうところがあって。」

マリン:ああ、それは辛い……。

藤井: うわあ……。

黒子:まあでも、その人はその人なりに多分考えがあったんだろうけど、でもやっぱり、そういう引き抜きだったり、”恩を仇で返す”じゃないですけど、そういうのをちょっとなくしていきたいなっていうのが、僕個人の思いなんですけどね。最近、特に強く思いますね。
未払い問題と経営者の責任

藤井:いやあ、でも本当にね、最近ちょっと前にラジオで未払いの問題もやったんですけど、やっぱなくならないんですよね、そういうのが。

黒子:そうなんですよ。僕も未払いがあって。

藤井:えぇ!? あったんですね。

黒子:はい、まあ合計で言ったら2000万近くなんですけど。

マリン:えっ!? それはデカいですね……。

黒子:で、まあ、その現場自体は従業員がリーダーで入ったんですけど、でもやっぱり、毎日帰ってきて会議して、”どういうふうに現場を回すか”っていうのを、自分と打ち合わせしながらやってた現場だったんで。なんか、そのお金が入ってこないっていうよりかは、もう”人の頑張りを無駄にさせる”じゃないですけど……。

黒子:なんかそういうのって、”本当に人としてやっていいのかな?”っていう気持ちになっちゃって……。もうなんか、従業員にも合わせる顔がないなっていう。僕の……なんて言うんですかね、責任に追われたというか。

黒子:いや、連絡が弁護士経由で自分の方に来て。”今支払える状況じゃないから、月に10万ずつでも払わせてください”みたいな連絡は来たんですけど。いざ支払い日になった時も、全然お金払ってもらえなくて。で、弁護士さんに電話したら、”うちも実はお金もらってなくて、もう期間が過ぎちゃったので、自分で取り立ててください”っていうふうに言われちゃって。


藤井&マリン:えぇ……。

黒子:で、まあ会社に行ったら……もう、もぬけの殻で。現状、連絡が取れないし、居場所もわからないっていう状態ですね、今は。
業界を変えるために必要なこと

藤井:でもやらないといけないですもんね、ずっと仕事ね。

黒子:そうなんですよ。

藤井:こにかけてる時間もないですもんね、普段忙しくされてたら。)

黒子:そうですね。かけたくない気持ちもあるし、いつまでもへこんでても仕方ない。従業員に本当に申し訳なかったと謝って、”また次一緒に頑張ろう”ってなって。従業員たちも”みんなで頑張りましょう”と言ってくれたので、また1から頑張る気持ちになれました。

マリン:クロスさんが普段大切にされてるから、ついてきてくれてるんだなっていうのがよくわかります。すごく大事にしてるんやろうなと思います。

黒子:そうですね。本人たちもそう言ってくれてますね。

藤井:素晴らしい。

マリン:ク業界を変えるために、どんなことをしたいとか、どういうことをやってきたとかありますか?

黒子:今の自分は人と人の関係を大事にしたい。やっぱり気持ちと気持ちで付き合いたいなっていう思いがあるので、気持ちがある人とお付き合いをさせてもらうことを意識してます。でもその反面、そういう人たちに裏切られた時の悲しさがすごくある。思い出したら泣きそうになってきましたね(笑)

マリン: 本当に辛いことが多いですよね、この業界。普通ではありえへんことが当たり前のように起こってるんやなって思いました。

藤井:なんでやり続けるんですか?この業界で

黒子:従業員は不安になると思います。でも、それでも”社長なら大丈夫ですよ”とか、”また成り上がれますよ”って言ってくれる人がいて、こんなことで辞めるのは失礼だなって思いました。だからやり続けてます。

黒子:あとは、自分の性格上、負けたくないんですよね。汚い人たちのせいで自分がダメになるのはすごく嫌なんで、負けず嫌いの気持ちでなんとかやってます。

藤井:分かります。そういう負の連鎖を止めたいっていう気持ちは強いですね。

マリン:負けず嫌いの人が多いですよね、職人さんって。

黒子:負けず嫌いじゃないとやっていけないと思います。

マリン:私はすぐへこたれるんで無理ですね(笑)

藤井:負けず嫌いじゃないですか?

マリン:いや、まあそうなんですけど……無理無理無理無理(笑)。

藤井:同じですよ、まりんちゃん(笑)

マリン:いや、違う違う、私は一緒じゃないです!


藤井&黒子:ははは(笑)

マリン:今、大事にしてることとかってありますか? 個人的にも会社的にも。

黒子:また同じ話になっちゃうんですけど、何をするにも、人と人で成り立ってると思うんです。仕事をお願いするのも人。飲食店に行くのも人。その中で、やっぱり相手の気持ちになれるかが大切だと思ってます。

黒子:自分はRisuSっていう会社もやってるんですけど。

マリン:えっ!?

黒子:そっちはサウナとかドッグランをやってるんですよ。

マリン:え!? そうなんですか?

黒子:そっちでも、”来てくださるお客様の気持ちになれ”っていうのは従業員に伝えています。塗装の方でも、お願いしてくれているお客様の気持ちになれということは、日々強く伝えています。。

マリン:そういう意識になったきっかけってあるんですか?

黒子:やっぱり、人に裏切られたり、期待していた人に裏切られるのってめちゃくちゃ辛い。でも、来てくださるってことは期待をして来てくださっているし、お願いしてくれるってことは期待をしてお願いしてくれている。そう実感した時に、より大事にしようと思いました。

マリン:めちゃくちゃいいと思います。

黒子:同級生や先輩に妬まれることがあるので、”クロスには叶わないな”って言われるくらいの人間になりたいですね。会社もそうですし、人としても成長していきたいです。

藤井:建設業界って、「学歴がなくても、自分の腕一本でのし上がれる」みたいな良さがあるじゃないですか。でも、それと同時に「俺みたいになれよ!」みたいな強い口調の経営者も、まだまだいるんですよね。

黒子:そうそう。だから難しいなって思います。
若者へのメッセージと今後の展望

藤井:いや、僕思うんですけど、なんて言うんですかね……昔は”むちゃくちゃ自社が頑張ってのし上がる”みたいな感じだったと思うんですよ。でも、今って本当に”競業”っていうか、その、”餅は餅屋”じゃないですけど、得意な人が得意なことをやったらいいし、助け合ったらいいと思うんですよ。会社が仮に別でも。

黒子:うんうん

藤井:僕はそういう考え方なんですね。同じ業界だからって”自分たちだけが儲かる”んじゃなくて、一緒に助け合えるところは助け合いながらやったほうがいいと思ってるんですけど……黒子さんってどう思いますか? もう率直に教えてほしいです

黒子:もう、それこそ……あの、”ワンピース”って見たことありますか?

マリン:それは嬉しいですね!

藤井:はい、ありますよ!

黒子:ワンピースって、ルフィは何もできないじゃないですか。でも周りの人が、それぞれできることをやってるじゃないですか。

藤井:あー、確かに?

黒子:ってなったら、さっき藤井さんが言った通り、例えば、電気を得意な人がいて。なんて言えばいいんだろうな……”一味になる”じゃないですけど(笑)人それぞれ、やっぱ得意不得意ってあると思うんで。……ちょっと難しいな、説明が(笑)ワンピースみたいな感じで、みんなで協力して……まあ”海賊王”じゃないですけど。”建築王”になるのが、やっぱいいのかなってずっと思ってますね。

藤井:ああ、めっちゃいい表現! 今のめちゃ伝わりました!

黒子:あ、本当ですか?

藤井: めちゃ伝わりました。本当に”ひがみ合い”じゃないけど、”あそこの会社はここがダメだ”とか。なんか、ダメなところを探すじゃないですか

黒子:はいはい、ありますよね。荒探しみたいな。まだ27の”クソガキ”ですけど(笑)”すっげえダセえことしてんな”って思っちゃうんですよね。

藤井:45歳のおじさんも思いますからね(笑)だいたいこれ、もう僕はそのまま言いますけど、”そんなこと言う人に限って大したことない”ですからね(笑)

黒子: うん、それはそう思います(笑)

藤井:自分を”評価しろ”って自分から言ってくる人とか、愚痴とか文句を言ってくる人に限って、現場一緒に行くと”大したことない”ですよね。自分を守ろうとしてる人が多い気がする。そういうこと言う人って。

黒子:そうですね、うんうん。

藤井:やるべきことをやってる人はきちんと評価してあげないといけないし、やらない人は評価されなくても仕方ないって思ってるんですよね。で、そう思ってる人たちをちゃんと集めて、業界をもっといい方向に変えていきたいなって思ってます。

黒子:めっちゃいいですね。

マリン:うん、いい話!

藤井:じゃあ、最後に、これからこの業界に興味を持つ若い人たちに向けて、メッセージをお願いします!

黒子: 建設業は、やったらやった分だけ評価されるし、やったらやった分だけ認めてもらえる。まあ、多分入ってきたら、”汚い大人”もたくさんいると思うけど。でも、その、ちゃんと”見てくれる人”だったり、”裏切らない人”とかもいるんで。だから、迷わず、怖がらず、入ってきてください。建設業の世界へ!

藤井:ほんまにそう! で、ちなみに、黒子さんのところって従業員募集してます?

黒子: 塗装の方はもういっぱいなんですけど、やる気がある人なら、いつでも来てください!

藤井:ということで、このラジオを聞いてる方で興味がある人は、ぜひ黒子さんに連絡してください!

マリン:だって、こんなにいい社長ですよ!?

藤井:とほんまに! こんなに熱い人、なかなかいないですよ!では、次回もビヨンドな話題を届けていきます!それではまた次回!



藤井&マリン&黒子:Bye Bye!
-
Instagram
-
X